2020.12.01
国会で手話
昨日(2020年11月30日)、参議院本会議で、
今井絵理子議員が約10分間にわたり、
手話を付けた質問を行いました。
国会で手話が付くのは初めてだそうです。
そういう意味では評価してあげる必要はありますが、
残念なこともありました。
目のすぐ下まで顔の半分以上が隠れるくらいの
大きなマスクを着けて話をしていたことです。
おまけに下を向いて原稿を読みながらの手話なので、
表情や顔の動き・口形などが全く見えず、
手話を読み取ろうとしても非常に分かりにくい状況でした。
原稿を読みながら行うことは仕方ない面があると思いますが、
白いマスクをマウスシールド(透明マスク)に
替えることは出来なかったのでしょうか。
それから、発言の最後に、
「手話に対して理解していただいた議員の皆様に感謝します。」
という言葉がありましたが、
手話を使うのに議員の理解が必要ということは、
やっぱり国会は遅れてるのかなあ…。
2020.02.13
小金井手話広場 2020年2月
今回お招きする講師は、宮本一郎氏。
宮本氏は八王子市聴覚障害者協会の会長で、
国際手話通訳としても活動されていますが、
以前は東京聴覚障害者総合支援機構理事長、
全日本ろうあ連盟の理事、
世界ろう連盟のアジア地域事務局長などなど、
様々なお顔をお持ちでした。
そういうお立場上、
講演といえば硬い内容を想像しますが、
今回は「僕の活動の源」というテーマで、
楽しいお話しをしていただけるかと思います。
2020.02.12
手話通訳士試験
昨年の秋に行われた第31回手話通訳士試験ですが、
今年の1月末に合格発表がありました。
全国で1,100名の受験者に対して、
合格者は121名で、合格率は11%。
受験者
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合格者
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合格率
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1,100名
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121名
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11%
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下のグラフは、これまでの31年間での結果です。
のべ26,834名が受験して合格者は3,886名。
平均の合格率は14.5%になります。
合格者の総数は3,886名ですが、
現在活動できているのは3,000名位ではないでしょうか。
このグラフを見ると、合格率におもしろい傾向がありました。
最初の5年間は、まあまあ高い合格率で、平均20.0%
それから4年間は高くもなく低くもなく…。
第10回から第14回までの5年間は、
一度も10%を超えることなく平均7.1%の低空飛行。
それから3年間は高くもなく低くもなく…。
第18回から第22回までの5年間は全て20%を超えていて、
30%超えも2回あり、平均すると27.4%もあります。
それから4年間は10%台が続き…
第27回から31回までの5年間は、
平均8.5%と低い状態が続いています。
手話通訳士を増やしていかなければならない事情もありますし、
かといって合格レベルを落としてしまうことは…。
厚生労働大臣から試験を任されている
聴力障害者情報文化センターの苦悩が見えるような…。
2019.12.24
デフリンピック冬季大会2019②
前回、デフリンピック冬季大会が始まりましたとお知らせを行い、活躍の様子はまた次回に…と書きました。
15人の選手やそれを支える役員の方々はきっとメダルを目指して頑張ったと思います。
結果だけを見ればメダル0でしたので、残念な…となってしまうのかもしれません。
ですが、メダルを取ることだけが目的ではないはずです。
オリンピックやパラリンピックと違い、公的な助成金はほとんど無く、資金は募金などの一部を除き自己負担です。
それでも世界の舞台で戦ってみたいと…。
一番残念だったのは、テレビや新聞などでデフリンピックについての報道が全く無かったことです。
日本では、2025年デフリンピック夏季大会を東京に誘致しようという活動が行われています。
残念ではありますが、一般には認知されていないのが現在のデフリンピックの立ち位置です。
新聞パラリンピックと比較しても長い歴史を持っているデフリンピック。
しかも運営自体をろう者が担っています。
そのろう者の活動を支援するためにも、デフリンピックの存在を世間に広めていかなければなりません。。
2019.12.14
デフリンピック冬季大会2019①
現在デフリンピック冬季大会がイタリアのヴァルテッリーナで開かれています。
ヴァルテッリーナというのは都市の名前ではなく、スイスに近いイタリア北部の地方の名前のようです。
冬季大会はオリンピックと違って競技が少なく、以下の5つ競技で行われています。
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アルペンスキー
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スノーボード
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クロスカントリー
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アイスホッケー
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カーリング
日本は全ての競技に参加しているわけではなく、「アルペンスキー」「スノーボード」「カーリング」
以上の3競技に出ています。
日本からは、15人の選手とそれを支える役員、監督、コーチなど総勢約50人。
その中には医師や看護師などと共に手話通訳者が。
手話通訳というと、「ろう者」と「聴者」の橋渡しというイメージがありますが、ここには「ろう者」と「ろう者」の橋渡しをするろう者が手話通訳として参加しています。
デフリンピックは運営など全てをろう者が担っていますので、そこで交わされる言葉は国際手話になります。
しかし、選手や監督の中には国際手話はよく分からないという人もいますので、国際手話⇔日本手話を通訳する人が必要になります。
大会は始まったばかりですので、選手の活躍の様子などについてはまた後日ということで。
2019.12.08
デフテニス
先日、パラスポーツ大賞の受賞者が発表されました。
大賞はパラ陸上世界選手権で活躍した車いすの佐藤友祈選手が受賞しました。
そして残念ながら大賞は逃してしまいましたが、大賞と同等の活躍をした3人の方が優秀賞を受賞され、その優秀賞に世界デフテニス選手権大会で女子シングルスで金メダルを獲得した喜多美結選手が選ばれました。
私は、テニスは遊びで少しやっただけでほとんど経験がありませんが、20代後半から40才くらいまで、ろう者の野球チームで一緒にプレーしました。
20数人のチームの中で聞こえる人は2~3人。
ほとんがろう者です。
私は小学校時代から大学まで野球をかじっていましたが、守備の時には打球音で強い打球なのかそうではないのかを自然に判断していましたが、聞こえないのに目だけで、打球の強弱を判断している仲間を見て、すごい能力だと驚いたことがありました。
きっとテニスでも音は重要なはずです。
左右への動きは見れば分かるでしょうが、前へ出るのか後ろへ下がるかは、音が重要な判断材料になります。
デフ世界選手権ですから全員聞こえない選手で、そういう意味ではハンデは皆同じですが、デフリンピック本当に素晴らしい活躍だったと思います。
まだ大学生で若い彼女は、2年後のデフリンピックでも、きっと活躍されることでしょう。
そしてそれが、2025年デフリンピックの東京招致活動に拍車をかけてくれることを期待しています。
2019.10.23
合理的配慮は…?
先日ある回転寿司屋さんへ行きました。
初めて入った店で、そんなに安い店ではありませんでしたが、カウンター内で職人さんが握ってくれる味はとても美味しい店でした。
その店でちょっと???な体験をしました。
私は図の①の席で食べていました。(実際はもう少し広い店だったと思います)
その店は様々な値段の皿にのった寿司が、回転レーンの上を流れてくるのですが、流れてない場合は希望の寿司をリクエストできます。
リクエストする場合は口頭でお願いするのではなく、カウンター上に置いてある注文用紙に記入して、ホール係かカウンター内の職人さんに渡すことになっていました。
寿司図の②の席に座っていたお客さんがホール係に、注文用紙に記入したものを渡しました。
するとその店員さんは「ワサビは入れてもいいですか?」と尋ねました。
お客さんの返事は「?????」
店員さんがもう一度同じように尋ねると、反応はやはり「?????」
店員さんはもう一度同じように尋ねました。
私はそのあたりで少しイラついたのですが…。
お客さんは何を尋ねられているのか分からない様子で、記入した注文用紙を指差しながら、〇〇と△△と××が欲しいと声を出しました。
その声を聞いた店員さんは、そのお客さんが聞こえない方だと理解しました。
私はやっと分かってくれたと少し安心し、きっとメモでも取りだして
「ワサビ入れてもいいですか?」と書いてくれると…。
ところがその店員さんは、注文用紙を職人さんに渡し、「聞こえないから分からないけどワサビは入れていいよ。」と。
私は、カウンター越しに手を振ってそのお客さんの注意を引き付け、手話でワサビ入れていいか聞かれていたけど、ワサビは入っていてもいいですか?と尋ねました。
返事は入れてほしいということだったので問題はないのですが、一応そのやりとりを店員さんと職人さんに伝えました。
そんなに込み合っていたわけでもなく、スタッフもとても忙しいという状況には見えませんでした。
店をやっている以上、お客さんが聞こえないと分かった時点で、簡単な筆談程度はやってほしいと思います。
美味しかったお寿司でしたが、また来ようとは思わない店になってしまいました。
2019.09.24
手話言語の国際デー
「手話言語の国際デー」という日がありますが、昨日の9月23日がその日にあたります。
2017年の国連総会で制定され、2018年から始まったので今年で2回目の記念日でした。
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手話言語が音声言語と対等であることを明確にすること
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ろう者の人権が完全に保障されること
この日、世界各地でイベントが開催され、もちろん日本でもあちこちで開催されましたが、ここではそのことについてはまた…。
ところで、手話は言語なのですが、手話は言語であるということはどういうことでしょうか。
日本で手話が言語であると認められたのは、ついちょっと前の2011年になります。
それまでは言語だと認められていませんでしたので、司法や教育の現場などで手話を使うことが認められないということが起こっていました。
他にも欧米諸国と比較すると遅れている面があり、全日本ろうあ連盟が訴えている、手話言語法もまだ制定されていません。
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手話言語を獲得する
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手話言語を学ぶ
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手話言語で学ぶ
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手話言語を使う
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手話言語を守る
以上の5つの権利を保障する法律ですが、欧米の手話先進国ではこのような法律があることは当たり前です。
法律ですので日本では、手話は言語と認められているのも関わらずどこででも自由に手話が使えるというわけには…。
もちろん、「誰もが手話で会話ができるようになる。」ということは難しいでしょうが、役所や公的な病院、警察などには手話通訳者を設置する。
そして、手話は外国語ではありませんが、学校で外国語を教わるように、語学の講義や授業の中に手話を入れる。
「手話言語の国際デー」がそのようなきっかけになれば、国連で制定された意義も大きくなると思います。
2019.05.13
小登連 福祉講座2019
小登連?…何??
通訳小登連の正式名称は「小金井市登録手話通訳者連絡会」。小金井市で活動している手話通訳者の団体です。
福祉講座は小登連が主催して毎年開催している講演会で、今年で26回目なので、25年前からやっていることになります。
目的は、講演会などの行事には手話通訳が付くのが当たり前と、一般市民の方々に認識していただくためのものです。
現在では、手話通訳をいろいろな場所で見ることも多いですが、20年以上前は、手話通訳というものに馴染みが薄い時代で、手話通訳が付くのは特別な時にのみでした。
講演個人的な経験でも、行政が主催する行事でタレントが話す時に、開始前にタレント本人から「舞台の上で通訳するな」と言われたり、一般市民が参加する大会の開会式で、式を進行する担当者から「見えない場所でやれ」と、そんなことを言われたことがあります。
どちらも、主催する行政側から依頼されて通訳が付いているので、行政担当者から説明してもらい通常通りの通訳を行いましたが、いずれも20年以上前の出来事で、今となっては懐かしいような気もします。
話を福祉講座に戻しますが、今年は6月15日(土)、14時~16時での開催です。
お招きする講師は『玉利 かおる氏』テーマは『ユニバーサルマナーとおもてなしの心』会場は、小金井市民会館萌え木ホール。
玉利さんは、実は私の高校時代の同級生で、大学までは熊本で過ごしていましたが、卒業後に上京してアナウンサーに。
在学中も、時々モデルみたいな仕事をされていました。
上京後、数年間は全国放送されているテレビで、生番組での姿を見ることが出来ました。
その後、大学や専門学校での講師としての活動や、マナー様々な講演活動などをされています。
当日は手話通訳も付きますが、手話が分からない難聴者対象に文字通訳も付きます。
どなたでも自由に参加できますので、是非ご来場ください。
お待ちしております。
福祉口座のチラシはこちら
2019.04.19
小金井手話広場4月
片桐氏今月の手話広場は第3金曜日ではなく、第4金曜日の26日に開催します。
お招きする講師は昨年7月に続き、登場2回目の片桐幸一氏です。
片桐さんは旅行会社のHISにお勤めで、そこで聞こえないお客様の受付、聴覚障害者向けの旅行の企画や添乗員として同行するようなお仕事をされています。
ホテル片桐さんに関しては、「手話 HIS」で検索してみてください。
(「手話 HIS」のホームページはこちら)
日時は4月26日、19:00~21:00。場所は小金井宮地楽器ホール1FのNスペース。(JR武蔵小金井駅南口駅前)
どなたでも自由に参加出来ます。
参加費は無料ですので、是非ご参加ください。