難聴について

難聴について
難聴は大きく分けると2種類になります。一つは、外耳・中耳のどこかに原因がある「伝音難聴」です。

【主な原因】

  • 外耳道が耳垢や異物によって塞がれる
  • 中耳炎などで、鼓膜や耳小骨の動きが妨げられる
  • 鼓膜や耳小骨の損傷
この伝音難聴は、聞こえてきた声が小さくしか伝わらないのですが、話す方が大きな声を出す、耳に近づいて話すということなどにより、しっかり聞き取ることができます。
また、損傷の程度によっては、専門医で治療することにより聴力を改善させることが可能な場合があります。
伝音難聴の聞こえ方をイメージで表すと下の図のようになり、右に行くほど症状は重くなっていますが、拡大(増幅)すればハッキリ見る(聞く)ことができます。
難聴について
もう一つの難聴は内耳や聴神経のどこかに原因がある「感音難聴」です。この難聴は音が小さく聞こえるだけではなく少し歪んで聞こえますので、声を大きくしてもハッキリ聞き取るというのは難しくなります。
蝸牛の中には、音を電気信号に変換するためにセンサーのような重要な役割を持った「有毛細胞」があります。細胞の先端に百数十本の毛(聴毛)があるので有毛細胞といいますが、蝸牛の入口から奥の方まで1万数千個の有毛細胞が並んでいます。
感音難聴の多くは、この聴毛が抜け落ちることや変形すること、また有毛細胞そのものが退化していくことにより起こり、その原因としては、加齢のよるもの、強い薬の副作用、長い期間大きな音を聞き続けたもの、何かの病気がきっかけになったものや、原因が分からない突発性難聴まで様々なことが挙げられます。
感音難聴の多くはこの蝸牛が原因で起こる難聴ですが、それをイメージで表すと下の図のようになります。
この図も右へ行くほど症状が重くなっているイメージです。症状が重くなっていくと聞こえ方がだんだん小さくなるだけではなく、歪みも少しずつ大きくなっていきますので、伝音難聴と違って拡大(増幅)しても元と同じようにハッキリ見える(聞こえる)というわけではありません。



補聴器を使用する場合も、症状が軽ければ軽いほど効果が良く表れるということになります。早い段階で補聴器を装用することが重要で、それをイメージしているのが下の図です。健聴の耳と同じ様にハッキリ聞くことはできないとしても、症状が軽い場合は、補聴器を装用することにより、話の内容が理解できる程度には聞こえるようになっていきます。
加齢性の難聴(老人性難聴)の場合は、補聴器を装用していてもしていなくても、聴力は年々徐々に低下していきます。補聴器をしていれば聴力低下を防げるというものではありません。
ですが、聞こえ難い生活を続ける中で難聴が進行してしまうと、脳に届く“言葉の刺激”が少なくなり、言葉を聞き取る脳の力も衰えていくことが多くなります。
それに対して補聴器を装用して、その時の聴力に合わせて調整を行い言葉による脳の刺激を適度に続けると、言葉を聞き取るという力はある程度維持されていきます。それをイメージしたのが次の図になります。
難聴が軽い段階で補聴器を装用した場合には、年齢とともに聴力が少しずつ低下したとしても、聞き取る力はある程度維持されて、補聴器を装用しての聞こえ方は下の図のようなイメージになります。
くまモン
難聴には伝音難聴と感音難聴があるのですが、その両方の症状を併せ持った混合性難聴の方もいらっしゃいます。いずれの難聴も放置したままにしておくとだんだん聞こえ難くなるだけではなく、認知症やうつ病のリスクが高まることも学会などで発表されています。
早目に“きこえ”を改善させるために、専門医で診ていただくことをお勧めします。耳鼻咽喉科の中でも“補聴器相談医”をインターネットなどで調べることができます。また当店へおいでいただければ、お住まいのお近くの補聴器相談医をご案内することもできますので、お気軽にお問合せください。