2019.07.14

補聴器の進化

スクリーンショット
デジタル補聴器の進化は止まりません。
ただ、音質的にはどのメーカーでも、そのメーカーの考える最高の音質に近づいています。
私が思うには、音質はこれ以上よくなったとしても、人間の耳や脳ではその良さを感じ取れないくらいまで、もうすでにその域に達しているのではと思っています。

聞こえについてもっと進化してほしい箇所といえば、人の声とそれ以外の音を明確に区別すること。
区別が出来れば、声だけを増幅して、それ以外の音は増幅しないようにできます。
つまり、騒がしい場所で会話することが楽になります。
今でも、ある程度はそのようなことが出来てはいますが、その点はまだまだ進化してほしいことです。
スクリーンショット
ボディスコアそれから何回か前のこのコーナーに書きましたが、脳波をモニターすることによって、その人がいろいろな声や音の中で、何を聞こうとしているか分かるので、聞こうとしている声や音に特化して増幅すること、そういうことが出来るように進化してほしいですが、これからの補聴器の進化の中心となるのは、聞こえというよりは付加価値の方面になるのでしょうか。

そういう意味で今回スターキーからリリースされた、『Livio AI』はこれまでより進化した補聴器といえるでしょう。スマホが必要にはなりますが、スマホと連動させることで出来ることがいくつもあります。
スクリーンショット
ブレインスコア補聴器の専用アプリを使用して、話された外国語を日本語で聞かせてくれるというもの。
英語・フランス語・スペイン語・中国語など20数か国語に対応しているそうです。

仕組みは、スマホに例えば英語⇒日本語に設定すると、英語でスマホのマイクに向かって話した時、スマホ画面に日本語に翻訳された文字が表れます。
ここまではよくあるスマホの翻訳機能ですが、これを日本語の音声にして補聴器に飛ばすというもの。
有りそうで無かった機能です。
スクリーンショット
他にも、聞こえとは関係ありませんが…。
「転倒検出通知機能」は、補聴器装用者が転倒した時、スマホに設定された連絡先に、自動で転倒通知を送信するというもの。
高齢者の転倒事故の早期発見につながります。
また、「心拍計測機能」なども備わっていいて、自身の健康状態も確認することが出来るようになっています。
2019.04.18

耳あな型補聴器は簡単

お年寄り
私が補聴器専門店を開業してちょうど1年になります。
それまでは10年以上、補聴器メーカーに勤めていました。その前は…といいますと、3年間ほど今と同じ仕事で、難聴の方に補聴器を販売する仕事をしていました。

15年ほど前に補聴器の仕事を始めたころは、耳あな型は取り扱いが難しく、耳かけ型のほうが楽に取り扱える。ただ、耳あな型は目立たないが、耳かけ型は長い髪で隠れる場合は良いが、そうでなければやや目立つと言われていました。

ところが、オープン専用の耳かけ型補聴器の登場で、耳かけ型は「こもらず目立たないがやや扱い難い」に。そして、耳あな型については…。ハウリング抑制の進歩によって外耳道に対して少し小さめに作れるようになって耳に入れやすくなり、耳かけ型と比較して扱いやすいと言われるようになりました。
難しいの手話
※「オープン」とは「オープンフィッティング」のことで、 補聴器を耳に着けた時に耳を塞がないタイプ。耳を塞いでしまうのを「クローズ」と呼びます。
以前は、オープン専用の補聴器がありましたが、最近の耳かけ型は、高度~重度難聴用で、クローズにしか対応していない補聴器を除き、1台でオープンにもクローズにも出来るものがほとんどです。

そして最近、同じようなお客様が続きました。80才代後半または90才代の方で、補聴器は使ったことがなく、聴力はごく平均的な老人性難聴。低域の聴力はあまり低下していませんので、こもらないオープンの耳かけ型で試聴をしていただきますが、聞こえに満足していただけても、ご自身で自分の耳に補聴器を着けることが難しく、今後時間をかけて練習をしてもらったとしても…。
オープン
クローズの耳かけ型のほうがやや簡単なので、そちらで試していただくとなんとか着けられるのですが、それでも結構大変で。
ところが、型は合ってはいませんが、ダミーの耳あな型をお渡しするとスムーズに着けることが出来ます。

耳あな型補聴器の説明をして、きこえや装用感に問題がなければご購入いただくことを前提に、耳あな型を作製して試していただくことに。(もし問題があれば返却していただきます)

以前は耳あな型はこもるというのが欠点でしたが、最近は、こもり感をさらに軽減出来るものが、メーカーによってはいろいろと揃っています。
クローズ
案の定、やっていただくと補聴器の着脱はスムーズで、問題なくご購入いただけたというケースが、何件か続くということがありました。

オープンの耳かけ型を耳に着ける場合、
①補聴器本体を耳に乗せる(掛ける)
②耳せん(イヤモールド)を外耳道に挿入する
③ストッパーをかける

クローズの耳かけ型の場合は、
①補聴器本体を耳に乗せる(掛ける)
②耳せん(イヤモールド)を外耳道に挿入する
耳あな型
どちらも練習すれば①はわりと早い段階で出来るように。
ところが、②の作業が上手くいかないことが多く、②の作業をやっていると補聴器本体が耳から外れてしまいます。(70才代では何も問題なく出来る方がほとんどです。)

耳あな型耳あな型はというと、
①補聴器本体を外耳道に挿入する。 
それだけです。

最初に補聴器の持ち方さえ覚えていただければ、耳に入れるのが難しいという方はほとんどいらっしゃらないように思います。

耳あな型は使いやすいぞ~!!
2019.02.26

自転車には外マイク補聴器!

ロードレース
小金井補聴器のお客様の中に自転車競技をされている方がいらっしゃいます。

自転車のロードレースは、100Km程度かあるいはそれ以上の長い区間を交通規制をかけて車をストップさせますので、陸上のマラソンのようにあちこちで頻繁に行われているわけではないようです。
そのお客様はプロの選手ではありませんが、国内のレースはもちろん海外のレースにも参加されています。

補聴器装用経験は短くはありませんが、これまでずっと耳かけ型補聴器を使用されていて、レースの時は風切り音が邪魔になりますので、補聴器は外して参加していたそうです。
自転車の手話
自転車レースだけではなく、仲間とのツーリングでも、休憩中などは補聴器があったほうがよいのですが、荷物は出来るだけ少なくしますので、補聴器を持っていくことはあきらめていらっしゃいました。

私はテレビで自転車ロードレースを見たことはありましたが、詳しいことは知らず、話しを聞いて驚いたのですが…。

自転車のレースは個人競技であっても実際に走っている場合は、近くを走っている選手と協力し合って走るそうで、数人(場合によっては数十人)でチームのようになり、先頭を入れ替わりながら出来るだけ風の抵抗を受けなくて済むようにして集団で走るそうです。
風の手話
平昌オリンピックのスピードスケート女子で金メダルを取った、チームパシュートを思い出していただくと良いですね。
ただ、自転車では同じチームや仲間ではなく、例えばライバル同士であったとしても、ある一定の時間や距離の間では協力し合うようです。
そして、それまで少し離れて走っていたのに、近づいてきたので「しばらく一生に走ろう!」とか、しばらく一緒に走っていたのに、もう体力的についていけなくなった時、「もう自分はムリ、先に行ってくれ」とか、その逆で、集団のスピードが落ちてしまって「今までありがとう、先に行くね!」などという時に、基本的には手の動きなどで合図を送るのですが言葉をかけあうこともけっこうあるということ。
ただ、その方は、自転車に乗っている時に言葉でコミュニケーションを取ることはあきらめていらっしゃいました。

ところが、ホームページで補聴器を紹介しているコーナーで、“外マイク耳あな型は風切り音が気にならない”と私が書いていたのを見つけられて来店いただきました。

補聴器を作製して試聴していただきながらその間にマイクチューブの長さの変更など行い、自転車で走っている時でも話しができるということで、まだ十分使用出来る耳かけ型補聴器をお持ちであるにもかかわらず、外マイク耳あな型補聴器の購入を決めていただきました。

私も、補聴器を着けて扇風機の風をあびたり、風の強い時に外に出て使ったりして効果は体験していましたが、ここまで外マイクのメリットを感じていただいたお客様に、実際にお会いするのは初めてで、ホームページの補聴器紹介の箇所に、わざわざ外マイク補聴器の欄を作って良かったと改めて感じたところです。
ロードレース
2018.12.27

テレコイル

テレコイル
先日、大きな失敗をしてお客様にご迷惑をかけてしまいました。

そのお客様にお薦めした補聴器が、お客様にとって必要な機能を満たしていませんでした。
その機能が「テレコイル」。

以前のアナログ耳かけ型補聴器には、全てといっていいくらい付いている機能でした。

現在のデジタル補聴器でも耳かけ型であればほとんど付いている機能です。
小型の補聴器には付いていないのもありますが、今回の補聴器には付いているものと…。
どんな時に使う機能かというと、電話機が黒電話だった時代に、電話で会話する場合に補聴器をT(テレコイル)モードにすると、電話相手の声が良く聞こえました。

黒電話の受話器に内蔵されていた誘導コイルからの漏洩磁束(漏れ出している磁気)に音声の成分があり、その磁束をテレコイルで補聴器に取り込み、音声に変換して聞かせるというものです。
テレコイル
現在の固定電話には漏洩磁束がほとんど無く、テレコイルは役に立たないのですが、一部の携帯電話にはTモードで聞くと聞きやすくなるものがあるようです。

また最近の劇場やホールなどでは、床下にヒアリングループが這わせてあり、ステージ上の声が補聴器のTモードで聞きやすくなるというところがあります。会場全体でという場合もあるでしょうが、指定された一定の座席でテレコイルが使用できる会場もあるようです。
また、もっと小規模の公民館や、福祉会館、市民集会所のようなところでは、携帯用ヒアリングループがロッカーなどに置いてあり、難聴者の集会などで使用できるようにしている施設もあります。
テレコイル
今回のお客様はそのような集会によく参加される方で、ヒアリングループを介して檀上の方の声を、Tモードで聞く機会が多いというのを私は知っていたにもかかわらず、テレコイルが付いていない補聴器を薦めてしまったということになります。

最終的にはテレコイル機能が使えるようにしてお渡しすることができるということが分かったのですが、反省しなければならない応対でした。
2018.11.28

補聴器世界6大メーカー

補聴器メーカーには世界6大メーカーといわれているものがあって、
世界中の補聴器の90%以上がそれらのメーカーのものになっています。
フォナック
補聴器の音質、性能や技術的な高低をここで判断することは出来ませんが、それぞれのメーカーごとに特徴があります。
オーティコン
また、単に補聴器の聞こえのみではなく、各種ワイヤレス機器などにより、テレビやオーディオ機器からの音を補聴器で直接聞いたり、あるいは中継器を使用して聞くことが出来る器種もあります。
シグニア
それから、携帯電話の相手の声を無線で飛ばして補聴器で聞くことや、スマ–トホンと補聴器を連携させて電話の会話音声だけではなく、音楽や動画の音声なども補聴器で直接聞くことが出来るものもあります。
リサウンド
聞こえや音質に関係しないと思いますが、防水・撥水・防塵などの機能をもっていて故障しにくくなっている補聴器なども主流になってきています。
スターキー
メーカーごとの補聴器について、私の主観も混じることがありますが、次回から書きたいと思います。
ワイデックス
6大メーカーというのは下のメーカーになります。

会社の規模ではなく世界で販売されている数が多い順番に上から並べます。
ただ、シグニア補聴器のシンバントス株式会社と、ワイデックス補聴器のワイデックス株式会社が合併するという話も出ていますので、今後は勢力図も変わってくるのではないでしょうか。

補聴器世界6大メーカー

  • ・フォナック
  • ・オーティコン
  • ・シグニア
  • ・リサウンド
  • ・スターキー
  • ・ワイデックス
2018.08.13

自動ボリュームアップ機能Ⅱ

③スターキー(経験管理)

最初の利得を設定し、1ヶ月後(一日8時間使用)の目標利得を2つの選択肢から選んで設定しますが、1つは利得上昇幅が大きいので、使用出来るのは実質1つのみ。

利得を細かく設定出来ませんが、ほぼ問題ない利得上昇幅になっています。
経験管理
④フォナック(自動順応マネージャー)

最初の利得を設定し、30日後(一日12時間使用)の利得の選択肢はいくつかありますが、最低の利得上昇幅を選択しても4~5dB上がるので、1ヶ月で設定するのは難しいと思われます。
期間を60~70日に設定しておき、1ヶ月後に設定し直すかOFFにするような方法が必要。
自動順応マネージャ
⑤オーティコン(自動アダプテーションマネージャー)

最初の利得を設定し、1ヶ月後(一日10時間使用)の利得の選択肢はいくつかあります。
目標利得のカスタマイズは出来ませんが、最低の利得上昇幅を選択すれば2dB程度の幅になっていますので、これを選択すれば問題ないと思われます。
オーディコン
⑥リサウンド(アクセプタンスマネージャー)
リサウンド
リサウンド
最初の利得を設定した後、4週間後(一日8時間使用)の目標利得をカスタマイズ出来ますので、どのようにでも設定可能です。
期間は4週間後だけではなく多くの選択肢があります。

結果的に、シグニアとリサウンドの2メーカーは、自由に設定することが可能なので使いやすい。
ワイデックス・スターキー・オーティコンの3メーカーは、最適な設定を選択すれば問題なく使用出来そうです。フォナックは設定するのに少し注意が必要ということになります。
2018.08.12

自動ボリュームアップ機能Ⅰ

初めて補聴器を装用される方に対しての補聴器の設定で、普通の会話がよく聞こえるように利得(ボリューム)を上げてしまうとうるさ過ぎて補聴器を使用できないことがしばしばあります。

初装の方ですので、補聴器が上手く使用出来ているかの確認などもあり、最初の2~3ヶ月は1~2週間に1度は来店していただき、問題なく使用出来ているか、実際に使ってみての疑問点はないかなどお話しを伺うと共に、聞こえ方の微調整を行います。

音質的な調整も行いますが、最初は小さめに設定しておいた利得を、徐々に上げていくという調整も行います。

その、徐々に利得を上げていくという調整のみであれば、どのメーカーの補聴器でも自動に行える機能を備えています。
ただ使い勝手が良いのもあればそうでないのも…。

機能としては数ヶ月の間に徐々に数dB利得が上がるようにも出来ますが、初めて補聴器を使う方用ですから、数ヶ月も来店していただかないというのは通常はないと思いますので、4週間(1ヶ月)の期間で利得を2dB程度上げることを想定してみます。


①シグニア(自動ボリュームアップ)
最初の利得を設定し、4週間後(一日8時間使用)の目標利得で周波数ごとに何dB上げるかを設定するか、4週間後の目標利得を設定し、現在の聞こえはそこから何dB下げた状態に設定するかカスタマイズ出来ますが、後者はやや設定が難しく前者であれば使いやすいと思います。
シグニア
②ワイデックス(順応)

最初の利得を設定し、4週間後(一日12時間使用)の利得を3つの中から選択出来ますが、選択肢の内の2つは上がる利得が大きすぎるため、実際に使用出来るのは1つのみになってしまいます。

利得のカスタマイズが出来ないのは残念ですが、最良の1つの選択肢の利得設定は、ほとんど問題のない利得上昇だと思います。
ワイデックス
2018.08.01

スマートホンアプリ⑥ スターキー

スターキー
スターキーのアプリは「TruLink」で、これを使える補聴器は『Halo iQ』です。
スクリーンショット
初期画面でボリューム変更が出来、同じ画面で両耳同時、左右個別の両方のボリューム変更が可能です。
また、電池残量の確認も出来ます。
スクリーンショット
プログラムの変更を行います。
スクリーンショット
パーソナル画面のサウンドスペースで音質を変更することが出来ます。
パーソナル画面のノイズマネージャーで雑音抑制を項目ごとに設定することが出来ます。

・指向性の設定
・風切り音抑制のレベル設定
・定常雑音の抑制レベル設定
・スピーチノイズの抑制レベル設定

指向性は「無指向性」「指向性」「ダイナミック」「アダプティブ」のノイズマネージャー 人混みノイズマネージャー ノイズ4つの中から選択します。

雑音抑制レベルは1~4の4段階、またはOFFの5つの中から設定します。
スクリーンショット
スクリーンショット
スクリーンショット
スクリーンショット
スクリーンショット
スマホをリモートマイクとして使用することが出来ます。
補聴器を探す機能は、電源の入った補聴器が電波の届く範囲にあれば、スマホを持って動いた場合に、補聴器に補聴器に近づいているか遠ざかっているかをバーで示します。

補聴器をどこかに置いてきた、あるいは落とした場合、補聴器とスマホが最後に接続されていた場所が地図上に示されます。
スクリーンショット
スクリーンショット
2018.07.29

スマートホンアプリ⑤ フォナック

フォナック
フォナックの「Remote」アプリを使用出来る補聴器は『オーデオ B-ダイレクト』
まだ調整出来る内容は多くはありません。

ボリューム変更(両耳同時、左右個別)とプログラム変更になります。
ボリューム変更個別
ボリューム変更両耳
プログラム変更
アプリの中の説明の箇所などで英語の部分が多いのは少し残念なように思います。
2018.07.28

スマートホンアプリ④ ワイデックス

ワイデックス
ワイデックスのアプリは「BEYOND」で、アプリを使用出来る補聴器もビヨンドになります。
スクリーンショット
初期画面ではボリューム変更(両耳同時)とプログラム変更が可能です。
音質調整画面のイコライザーで低音・中音・高音の調節をすることや、音量調節で、左右個別にボリューム設定を行うことが出来ます。
また、テレコイル/マイクのプログラムでは、サウンドミキサー画面でバランス調整を行います。
イコライザー
左右個別のボリューム
サウンドミキサー
スクリーンショット
指向性の方向を選択することができ、指向性前方・後方・右・左の4方向から選択します。
スクリーンショット
電池残量電池残量や接続状況の確認をします。
補聴器を探す機能を持っています。

電源の入った補聴器が近くにある場合、スマホが補聴器に近づくほど青い円が小さくなり、補聴器が遠くにある場合は、最後にペアリングが途切れた場所が地図上に示されます。
スクリーンショット
スクリーンショット
その他に動画で以下の内容が説明されています。

・電池交換方法
・電源オン/オフの切り替え
・耳あかガードの交換方法