2018.08.12

自動ボリュームアップ機能Ⅰ

初めて補聴器を装用される方に対しての補聴器の設定で、普通の会話がよく聞こえるように利得(ボリューム)を上げてしまうとうるさ過ぎて補聴器を使用できないことがしばしばあります。

初装の方ですので、補聴器が上手く使用出来ているかの確認などもあり、最初の2~3ヶ月は1~2週間に1度は来店していただき、問題なく使用出来ているか、実際に使ってみての疑問点はないかなどお話しを伺うと共に、聞こえ方の微調整を行います。

音質的な調整も行いますが、最初は小さめに設定しておいた利得を、徐々に上げていくという調整も行います。

その、徐々に利得を上げていくという調整のみであれば、どのメーカーの補聴器でも自動に行える機能を備えています。
ただ使い勝手が良いのもあればそうでないのも…。

機能としては数ヶ月の間に徐々に数dB利得が上がるようにも出来ますが、初めて補聴器を使う方用ですから、数ヶ月も来店していただかないというのは通常はないと思いますので、4週間(1ヶ月)の期間で利得を2dB程度上げることを想定してみます。


①シグニア(自動ボリュームアップ)
最初の利得を設定し、4週間後(一日8時間使用)の目標利得で周波数ごとに何dB上げるかを設定するか、4週間後の目標利得を設定し、現在の聞こえはそこから何dB下げた状態に設定するかカスタマイズ出来ますが、後者はやや設定が難しく前者であれば使いやすいと思います。
シグニア
②ワイデックス(順応)

最初の利得を設定し、4週間後(一日12時間使用)の利得を3つの中から選択出来ますが、選択肢の内の2つは上がる利得が大きすぎるため、実際に使用出来るのは1つのみになってしまいます。

利得のカスタマイズが出来ないのは残念ですが、最良の1つの選択肢の利得設定は、ほとんど問題のない利得上昇だと思います。
ワイデックス