2018.12.27

テレコイル

テレコイル
先日、大きな失敗をしてお客様にご迷惑をかけてしまいました。

そのお客様にお薦めした補聴器が、お客様にとって必要な機能を満たしていませんでした。
その機能が「テレコイル」。

以前のアナログ耳かけ型補聴器には、全てといっていいくらい付いている機能でした。

現在のデジタル補聴器でも耳かけ型であればほとんど付いている機能です。
小型の補聴器には付いていないのもありますが、今回の補聴器には付いているものと…。
どんな時に使う機能かというと、電話機が黒電話だった時代に、電話で会話する場合に補聴器をT(テレコイル)モードにすると、電話相手の声が良く聞こえました。

黒電話の受話器に内蔵されていた誘導コイルからの漏洩磁束(漏れ出している磁気)に音声の成分があり、その磁束をテレコイルで補聴器に取り込み、音声に変換して聞かせるというものです。
テレコイル
現在の固定電話には漏洩磁束がほとんど無く、テレコイルは役に立たないのですが、一部の携帯電話にはTモードで聞くと聞きやすくなるものがあるようです。

また最近の劇場やホールなどでは、床下にヒアリングループが這わせてあり、ステージ上の声が補聴器のTモードで聞きやすくなるというところがあります。会場全体でという場合もあるでしょうが、指定された一定の座席でテレコイルが使用できる会場もあるようです。
また、もっと小規模の公民館や、福祉会館、市民集会所のようなところでは、携帯用ヒアリングループがロッカーなどに置いてあり、難聴者の集会などで使用できるようにしている施設もあります。
テレコイル
今回のお客様はそのような集会によく参加される方で、ヒアリングループを介して檀上の方の声を、Tモードで聞く機会が多いというのを私は知っていたにもかかわらず、テレコイルが付いていない補聴器を薦めてしまったということになります。

最終的にはテレコイル機能が使えるようにしてお渡しすることができるということが分かったのですが、反省しなければならない応対でした。