2019.04.09

人工内耳①

人工内耳
補聴器販売店として、人工内耳は取り扱ってはいませんが、全く知らないでは…

まず、しくみについて。
①耳介付近に配置したマイクで音を捉え、
②ほぼ同じ位置にあるサウンドプロセッサで解析し、電気信号に変換されます。
③その電気信号が送信コイルで無線信号に変換されて皮膚下に埋め込まれた受信装置に送られますが、送信コイルと受信装置は磁石でくっついています。
最近は、マイク・サウンドプロセッサ・送信コイルが一体化されたものも普及してきています。

受信装置に届いた信号は、
④そこから蝸牛内に通された電極によって、直接蝸牛内の神経を刺激します。
その刺激が神経を通して脳まで伝わり、音として認識されることになります。
大人・成人
手術をすると、その耳は元の聞こえに戻すことはできませんので、手術を行うための人工内耳適応基準が設けられています。
この適応基準は適宜見直しが行われています。現在の基準は、成人に対するものが2017年、小児に対するものが2014年に定められています。
成人成人の基準としては聴力検査で下記の①か②のどちらかに該当しなければなりません。
①裸耳での聴力検査で平均聴力レベル(500Hz、1000Hz、2000Hz) が90dB 以上の重度感音難聴。
②平均聴力レベルが 70dB 以上、90dB 未満で、なおかつ適切な補聴器装用を行った上で、装用下の最高語音明瞭度が 50%以下の高度感音難聴。

それ以外にも、慎重な適応判断が必要なものやその他考慮すべき事項が示されています。

成人人工内耳適応基準(2017)はこちら
小児の適応基準はさらに複雑になっています。
これは、必ずしも自分の意思で決断するわけではないことや、手術後のリハビリが非常に重要になるので、その環境が整っているのかなどが考慮されています。

まず手術を行う前提条件が示されています。

◆小児の人工内耳では、手術前から術後の療育に至るまで、 家族および医療施 設内外の専門職種との一貫した協力体制がとれていること。

また、医療機関における必要事項や療育機関における必要事項も示されています。
赤ちゃんの手話
その上で適応年齢は原則 1 歳以上(体重 8kg 以上)であることや小児裸耳での聴力検査で平均聴力レベルが 90 dB 以上、その条件が確認できない場合、6カ月以上の最適な補聴器装用を行った上で、装用下の平均聴力レベルが 45dB よりも改善しない場合。
また、その条件も確認できない場合、6カ月以上の最適な補聴器装用を行った上で、装用下の最高語音明瞭度が 50%未満の場合。とされています。

ただ、例外適応条件や禁忌事項なども示されています。

小児人工内耳適応基準(2014)はこちら

この続きは次回また