2019.04.13

3Dスキャナーで耳型採取

3Dスキャナー
先日、補聴器メーカーのセミナーに参加してきました。
セミナーの中身は大きな柱が2つあり、その一つが3Dレーザースキャナーでした。これは耳型採取の代わりに使用するものです。

補聴器関連では、耳あな型のオーダーメイド補聴器か耳かけ型のオーダーメイド耳せん(イヤモールド)を作製する時に耳型採取をしなければなりません。補聴器関連以外ではオーダーメイドイヤホンを作製する場合などにこの作業を行いますが、これが簡単な作業ではありません。
まず、耳型採取は誰でもやっていいのかというと、現在は耳鼻咽喉科学会から指針が出ており、認定補聴器技能者が行うようにとされています。

では、認定技能者であれば誰でも出来るのかというと、そう単純なものでもありません。
認定技能者は全員、耳型採取について一定の研修は行っています。ですがその研修だけでは全く不足しています。

もっと研修を積まなければ採取出来るようにはなりませんし、そしてその後も現場で採取する頻度が高いことが必要です。研修を積んだ時点で出来るようになったとしても、現場で採取することがあまりないような場合、だんだんと耳型採取の腕がおち、出来なくなってしまいます。
スキャナー
また、どんなに熟練した補聴器技能者であっても、鼓膜に傷があるようなお客様や、過去に耳の手術を受けたことのあるお客様に対しては、耳型採取を行ってはならないとされています。

もし、そのようなお客様で耳型採取が必要な場合は、補聴器相談医などの専門医で行うようにとされています。
ですが、その専門医であっても、そのようなお客様(患者)の耳型採取は出来ればやりたくないというのが本音のようです。
ここ10年前後の平均的な数字として、全国で年に40件程度の耳型採取での事故が起きています。スキャナーでも鼓膜損傷などが絶対起こらないというわけではないでしょうが、事故件数が激減して、安全に耳型情報が得られるようになるのは確実です。

この安全というのは非常に重要ですが、他にもメリットは多くあります。鼓膜に傷があったり、手術を経験している耳であっても、補聴器販売店で耳型データが得られます。

また、熟練の腕を持つ必要がなく、トレーニングさえ行えば誰でもが安全で上手にスキャンデータを取ることが出来ます。
スキャナー
それから時間短縮も。
耳型採取は一つの耳で2回行うことが必要でしたので、早くても15分くらいの時間が必要でしたが、それが3~4分で行えるようになります。
細かいことをいえばまだまだ…。

取ったデータは瞬時に補聴器メーカーで共有できます。
耳型は取ってから荷物として送ると、メーカーに届くまで最短でも1~2日は必要ですので、それだけ早く補聴器が出来上がることになりますし、輸送中に破損する心配もなくなります。
それから、これは販売店の都合ですが、荷物として耳型をメーカーに送る場合、千円弱の送料が発生してしまいますが、それも必要なくなるということになります。

他にもメリットはありますが、とにかく安全に早くデータを取ることができ、お客様の負担が格段に軽減しますので、待ち望まれていたシステムで、実はこれまでにもあることはありました。

ただ……

ものすごく大掛かりな機械であったり、扱いが難しいとか、そして、なにより高価すぎて補聴器販売店ではとても手が出ない、これまではそんな代物でしたが、今回のものは片手で取り扱いが出来て難しい技術も必要なく、価格的には高いですが、これぐらいはするよな~という感じで全く手が出ないというほどでもなくなりました。