2020.04.14

両耳装用のメリット②

前回の『両耳装用のメリット①』では、
メリットと言うよりは、
両耳装用に向く難聴と向かない難聴についてでしたが、
ここからが本題になります。

①両耳加算効果
②騒音下での聞こえの改善
③補聴器を装用していない側からの音に聞こえ
④音の方向感
①両耳加算効果
 これについては多くの方が既に体験してご存知かと。
 例えばテレビを見ている時に片耳をしっかり塞ぐと、
 音が弱く(小さく)なったように感じます。
 片耳と両耳で聞くのでは、ごく小さな音で3dB,
 普通によく聞こえる大きさの音では6dB違うと言われています。
 3dB、6dBというのはテレビによっても違いますが、
 ボリュームでそれぞれ2つ、4つ上げ下げするくらいの違いです。
 イメージとしては下図のようになり、
 補聴器を片耳で使用するより両耳で使用するほうが、
 それだけボリュームを下げられるので、
 耳への負担も軽くなることになります。
②騒音下での聞こえの改善
 両耳から様々な音が聞こえてきた時に、
 人の脳はその中の聞きたいある特定の音を聞こうとして、
 それ以外の音を抑えて聞くという機能を持っています。
 (カクテルパーティー効果)
 人が大勢集まったザワザワした場所で会話する時には、
 片耳装用と両耳装用では聞こえに差が出ます。
 下図はそれをイメージしたもので
 ②-1は声と騒音が聞こえた時に、
 片耳装用では声が騒音にかき消されてしまいます。
 ②-2は片耳装用では通常少しボリュームを大き目にしますので、
 声の聞こえも大きくなるが騒音も大きくなり、
 結局聞き取りの改善にはつながりません。
 ②-3では両耳装用でカクテルパーティー効果があり、
 両耳加算効果もあってボリュームをそれほど上げる必要もなく、
 騒音もそれほど大きくなることはありません。
③補聴器を装用していない側からの音に聞こえ
 これには2つの問題点があります。
 例えば両耳が同じような難聴の方が、
 右耳にだけ補聴器を装用していたとします。
 左側から何か聞こえてきた時に音(声を含む)は、
 約2000Hzより低い音は右耳にもしっかり届き、
 それより高い音は右耳には届き難いという性質を持っています。
 左側からの声は右耳に届く声もあれば届かない声もあり、
 声を邪魔する騒音はほとんどが低い音で、
 右耳でしっかり聞こえてしまいます。
 つまり1つ目の問題点は、ある方向から音(声を含む)が聞こえた時、
 反対側の耳の補聴器では騒音はよく聞こえるが
 声は半分くらいしか聞こえないということです。
 これが両耳装用で改善されることになります。
もう一つの問題点は、
周りが静かだったとしても、
声のした方向と逆の耳の補聴器では、
はっきり聞き取ることが難しくなることです。
これは「サ」を例にすると
「SA」の「S」は高い音で、
「A」は低い音に分類されます。
そうすると右図のように、
左耳側からかけられた「竹下さん」という声は、
右耳の補聴器には「・a・e・i・a・a・n」に。
そうすると「あてにならん」とか
「あれはいかん」と聞き間違えてしまうことも。
両耳が聞こえる状態であれば、
このような問題は改善されます。
④音の方向感は、片耳での気こえでは…。
 目も両目で見ないと距離感がつかめません。
 耳も片耳からの聞こえでは、
 音源がどちらにあるかつかむことができません。
 これも両耳装用で改善することができます。
①~④のように片耳装用と両耳装用では聞こえに違いが出るので、
結果的に、静かな場所で相手が正面にいる場合の1対1の会話であれば、
片耳装用でも補聴効果は得られます。(少し大き目の声で話す必要はありますが)

ただ、それ以外の場面では片耳装用での補聴効果は本当に小さくなります。
例えば複数の人がいて、どこから声をかけられるか分からない場面。
周りにそれほど大きくなくても騒音がある場面。
(元々大きな騒音がある場面では両耳装用でも会話は難しい)

補聴器をどのような場面で使用していたかのデータを取ってみると、
静かな場所で相手を正面にしての1対1の会話というのは僅か数%のようです。
やはり補聴器は両耳装用するということが非常に重要ということになります。

※ここで『両耳装用』と言っているのは、
 単に両耳に補聴器を装用しているというだけではなく、
 左右バランス良く調整されていることが前提になります。
2020.04.13

両耳装用のメリット①

お客様から、よく聞かれることがあります。
「補聴器は1個じゃダメなの?」

結論は、“ダメ”ではありません。
片耳装用でも、装用しないよりは絶対に良いです。
ですが、両耳に装用した場合と比較すると、
装用効果に差が出る場合が多くなります。

ただ注意が必要ですが、
“難聴の方は誰でもが両耳装用のほうが良い”
というわけではありません。
次の方には両耳装用はお勧めしません。
①片耳は聞こえている片耳難聴
②片耳は補聴器を装用しても効果がない重度難聴
③両耳の聴力差が大きい
④両耳の語音明瞭度に大きな差がある

①は、良聴耳は補聴器をする必要がないのですから当然です。
②も、非良聴耳は補聴器の効果が見込めないので当然です。
③は、2つのことを考えなければなりません。
まず、両耳に補聴器を装用する場合、
左右を同じようなバランスにする必要があり、
それが出来るのであれば両耳装用は有効ですが、
聴力差が大きいとバランス良く聞こえるようにするのは難しく、
結果的に両耳装用の効果が得られない場合が多くなります。
もう一つは、左右の聴力差が大きいと、
聞こえの悪い耳は語音明瞭度も悪い場合が多いということで、
これについては④の箇所で説明します。
④上の図は両耳とも難聴レベルは同程度なのに、
 右耳は明瞭度が良いのに対して、
 左耳は明瞭度が悪い聞こえのイメージです。
 ④-1は明瞭度の良い右耳にのみ補聴器を装用しています。
 『サ』という声が右耳ではしっかり聞き取れています。
 左耳は歪んで聞こえるのですが、
 補聴器をしていませんので、よく聞こえていません。
 結果的に正面からの声はほとんど右耳だけで聞いていて
 聞き取ることができています。
 ④-2は両耳に補聴器装用していますので、
 左耳からも声がよく聞こえてはいるのですが、
 歪んでいて何を言われているのか分かりません。
 両耳でバランス良く聞こえてきた声は、
 脳でさらに大きく聞こえるという効果があります。(両耳加算効果)
 しかし大きく聞こえても、右耳だけであれば聞き取れた声が、
 左耳からの歪んだ声が邪魔をして何を言われたのか分かりません。
 このように、左右の耳で明瞭度に差がある場合は両耳装用に適しません。
 
①~④、つまり両耳装用しないほうが良い方は、
私の実感としては難聴者の2~3割くらいの方が該当すると思います。

①~④以外の方は、ほぼ皆さん両耳に補聴器を装用したほうが良いと言えます。
特に「老人性難聴」の方は両耳装用したほうが良いでしょう。
片耳装用でも静かな場所で一対一の会話で、
相手が正面にいる場合は良いでしょうが、
それ以外の場面では両耳装用と片耳装用では、
補聴効果に大きな差がでてきます。
その辺りは次回にまた。
2019.07.14

補聴器の進化

スクリーンショット
デジタル補聴器の進化は止まりません。
ただ、音質的にはどのメーカーでも、そのメーカーの考える最高の音質に近づいています。
私が思うには、音質はこれ以上よくなったとしても、人間の耳や脳ではその良さを感じ取れないくらいまで、もうすでにその域に達しているのではと思っています。

聞こえについてもっと進化してほしい箇所といえば、人の声とそれ以外の音を明確に区別すること。
区別が出来れば、声だけを増幅して、それ以外の音は増幅しないようにできます。
つまり、騒がしい場所で会話することが楽になります。
今でも、ある程度はそのようなことが出来てはいますが、その点はまだまだ進化してほしいことです。
スクリーンショット
ボディスコアそれから何回か前のこのコーナーに書きましたが、脳波をモニターすることによって、その人がいろいろな声や音の中で、何を聞こうとしているか分かるので、聞こうとしている声や音に特化して増幅すること、そういうことが出来るように進化してほしいですが、これからの補聴器の進化の中心となるのは、聞こえというよりは付加価値の方面になるのでしょうか。

そういう意味で今回スターキーからリリースされた、『Livio AI』はこれまでより進化した補聴器といえるでしょう。スマホが必要にはなりますが、スマホと連動させることで出来ることがいくつもあります。
スクリーンショット
ブレインスコア補聴器の専用アプリを使用して、話された外国語を日本語で聞かせてくれるというもの。
英語・フランス語・スペイン語・中国語など20数か国語に対応しているそうです。

仕組みは、スマホに例えば英語⇒日本語に設定すると、英語でスマホのマイクに向かって話した時、スマホ画面に日本語に翻訳された文字が表れます。
ここまではよくあるスマホの翻訳機能ですが、これを日本語の音声にして補聴器に飛ばすというもの。
有りそうで無かった機能です。
スクリーンショット
他にも、聞こえとは関係ありませんが…。
「転倒検出通知機能」は、補聴器装用者が転倒した時、スマホに設定された連絡先に、自動で転倒通知を送信するというもの。
高齢者の転倒事故の早期発見につながります。
また、「心拍計測機能」なども備わっていいて、自身の健康状態も確認することが出来るようになっています。
2019.04.18

耳あな型補聴器は簡単

お年寄り
私が補聴器専門店を開業してちょうど1年になります。
それまでは10年以上、補聴器メーカーに勤めていました。その前は…といいますと、3年間ほど今と同じ仕事で、難聴の方に補聴器を販売する仕事をしていました。

15年ほど前に補聴器の仕事を始めたころは、耳あな型は取り扱いが難しく、耳かけ型のほうが楽に取り扱える。ただ、耳あな型は目立たないが、耳かけ型は長い髪で隠れる場合は良いが、そうでなければやや目立つと言われていました。

ところが、オープン専用の耳かけ型補聴器の登場で、耳かけ型は「こもらず目立たないがやや扱い難い」に。そして、耳あな型については…。ハウリング抑制の進歩によって外耳道に対して少し小さめに作れるようになって耳に入れやすくなり、耳かけ型と比較して扱いやすいと言われるようになりました。
難しいの手話
※「オープン」とは「オープンフィッティング」のことで、 補聴器を耳に着けた時に耳を塞がないタイプ。耳を塞いでしまうのを「クローズ」と呼びます。
以前は、オープン専用の補聴器がありましたが、最近の耳かけ型は、高度~重度難聴用で、クローズにしか対応していない補聴器を除き、1台でオープンにもクローズにも出来るものがほとんどです。

そして最近、同じようなお客様が続きました。80才代後半または90才代の方で、補聴器は使ったことがなく、聴力はごく平均的な老人性難聴。低域の聴力はあまり低下していませんので、こもらないオープンの耳かけ型で試聴をしていただきますが、聞こえに満足していただけても、ご自身で自分の耳に補聴器を着けることが難しく、今後時間をかけて練習をしてもらったとしても…。
オープン
クローズの耳かけ型のほうがやや簡単なので、そちらで試していただくとなんとか着けられるのですが、それでも結構大変で。
ところが、型は合ってはいませんが、ダミーの耳あな型をお渡しするとスムーズに着けることが出来ます。

耳あな型補聴器の説明をして、きこえや装用感に問題がなければご購入いただくことを前提に、耳あな型を作製して試していただくことに。(もし問題があれば返却していただきます)

以前は耳あな型はこもるというのが欠点でしたが、最近は、こもり感をさらに軽減出来るものが、メーカーによってはいろいろと揃っています。
クローズ
案の定、やっていただくと補聴器の着脱はスムーズで、問題なくご購入いただけたというケースが、何件か続くということがありました。

オープンの耳かけ型を耳に着ける場合、
①補聴器本体を耳に乗せる(掛ける)
②耳せん(イヤモールド)を外耳道に挿入する
③ストッパーをかける

クローズの耳かけ型の場合は、
①補聴器本体を耳に乗せる(掛ける)
②耳せん(イヤモールド)を外耳道に挿入する
耳あな型
どちらも練習すれば①はわりと早い段階で出来るように。
ところが、②の作業が上手くいかないことが多く、②の作業をやっていると補聴器本体が耳から外れてしまいます。(70才代では何も問題なく出来る方がほとんどです。)

耳あな型耳あな型はというと、
①補聴器本体を外耳道に挿入する。 
それだけです。

最初に補聴器の持ち方さえ覚えていただければ、耳に入れるのが難しいという方はほとんどいらっしゃらないように思います。

耳あな型は使いやすいぞ~!!
2019.02.26

自転車には外マイク補聴器!

ロードレース
小金井補聴器のお客様の中に自転車競技をされている方がいらっしゃいます。

自転車のロードレースは、100Km程度かあるいはそれ以上の長い区間を交通規制をかけて車をストップさせますので、陸上のマラソンのようにあちこちで頻繁に行われているわけではないようです。
そのお客様はプロの選手ではありませんが、国内のレースはもちろん海外のレースにも参加されています。

補聴器装用経験は短くはありませんが、これまでずっと耳かけ型補聴器を使用されていて、レースの時は風切り音が邪魔になりますので、補聴器は外して参加していたそうです。
自転車の手話
自転車レースだけではなく、仲間とのツーリングでも、休憩中などは補聴器があったほうがよいのですが、荷物は出来るだけ少なくしますので、補聴器を持っていくことはあきらめていらっしゃいました。

私はテレビで自転車ロードレースを見たことはありましたが、詳しいことは知らず、話しを聞いて驚いたのですが…。

自転車のレースは個人競技であっても実際に走っている場合は、近くを走っている選手と協力し合って走るそうで、数人(場合によっては数十人)でチームのようになり、先頭を入れ替わりながら出来るだけ風の抵抗を受けなくて済むようにして集団で走るそうです。
風の手話
平昌オリンピックのスピードスケート女子で金メダルを取った、チームパシュートを思い出していただくと良いですね。
ただ、自転車では同じチームや仲間ではなく、例えばライバル同士であったとしても、ある一定の時間や距離の間では協力し合うようです。
そして、それまで少し離れて走っていたのに、近づいてきたので「しばらく一生に走ろう!」とか、しばらく一緒に走っていたのに、もう体力的についていけなくなった時、「もう自分はムリ、先に行ってくれ」とか、その逆で、集団のスピードが落ちてしまって「今までありがとう、先に行くね!」などという時に、基本的には手の動きなどで合図を送るのですが言葉をかけあうこともけっこうあるということ。
ただ、その方は、自転車に乗っている時に言葉でコミュニケーションを取ることはあきらめていらっしゃいました。

ところが、ホームページで補聴器を紹介しているコーナーで、“外マイク耳あな型は風切り音が気にならない”と私が書いていたのを見つけられて来店いただきました。

補聴器を作製して試聴していただきながらその間にマイクチューブの長さの変更など行い、自転車で走っている時でも話しができるということで、まだ十分使用出来る耳かけ型補聴器をお持ちであるにもかかわらず、外マイク耳あな型補聴器の購入を決めていただきました。

私も、補聴器を着けて扇風機の風をあびたり、風の強い時に外に出て使ったりして効果は体験していましたが、ここまで外マイクのメリットを感じていただいたお客様に、実際にお会いするのは初めてで、ホームページの補聴器紹介の箇所に、わざわざ外マイク補聴器の欄を作って良かったと改めて感じたところです。
ロードレース
2018.12.27

テレコイル

テレコイル
先日、大きな失敗をしてお客様にご迷惑をかけてしまいました。

そのお客様にお薦めした補聴器が、お客様にとって必要な機能を満たしていませんでした。
その機能が「テレコイル」。

以前のアナログ耳かけ型補聴器には、全てといっていいくらい付いている機能でした。

現在のデジタル補聴器でも耳かけ型であればほとんど付いている機能です。
小型の補聴器には付いていないのもありますが、今回の補聴器には付いているものと…。
どんな時に使う機能かというと、電話機が黒電話だった時代に、電話で会話する場合に補聴器をT(テレコイル)モードにすると、電話相手の声が良く聞こえました。

黒電話の受話器に内蔵されていた誘導コイルからの漏洩磁束(漏れ出している磁気)に音声の成分があり、その磁束をテレコイルで補聴器に取り込み、音声に変換して聞かせるというものです。
テレコイル
現在の固定電話には漏洩磁束がほとんど無く、テレコイルは役に立たないのですが、一部の携帯電話にはTモードで聞くと聞きやすくなるものがあるようです。

また最近の劇場やホールなどでは、床下にヒアリングループが這わせてあり、ステージ上の声が補聴器のTモードで聞きやすくなるというところがあります。会場全体でという場合もあるでしょうが、指定された一定の座席でテレコイルが使用できる会場もあるようです。
また、もっと小規模の公民館や、福祉会館、市民集会所のようなところでは、携帯用ヒアリングループがロッカーなどに置いてあり、難聴者の集会などで使用できるようにしている施設もあります。
テレコイル
今回のお客様はそのような集会によく参加される方で、ヒアリングループを介して檀上の方の声を、Tモードで聞く機会が多いというのを私は知っていたにもかかわらず、テレコイルが付いていない補聴器を薦めてしまったということになります。

最終的にはテレコイル機能が使えるようにしてお渡しすることができるということが分かったのですが、反省しなければならない応対でした。
2018.11.28

補聴器世界6大メーカー

補聴器メーカーには世界6大メーカーといわれているものがあって、
世界中の補聴器の90%以上がそれらのメーカーのものになっています。
フォナック
補聴器の音質、性能や技術的な高低をここで判断することは出来ませんが、それぞれのメーカーごとに特徴があります。
オーティコン
また、単に補聴器の聞こえのみではなく、各種ワイヤレス機器などにより、テレビやオーディオ機器からの音を補聴器で直接聞いたり、あるいは中継器を使用して聞くことが出来る器種もあります。
シグニア
それから、携帯電話の相手の声を無線で飛ばして補聴器で聞くことや、スマ–トホンと補聴器を連携させて電話の会話音声だけではなく、音楽や動画の音声なども補聴器で直接聞くことが出来るものもあります。
リサウンド
聞こえや音質に関係しないと思いますが、防水・撥水・防塵などの機能をもっていて故障しにくくなっている補聴器なども主流になってきています。
スターキー
メーカーごとの補聴器について、私の主観も混じることがありますが、次回から書きたいと思います。
ワイデックス
6大メーカーというのは下のメーカーになります。

会社の規模ではなく世界で販売されている数が多い順番に上から並べます。
ただ、シグニア補聴器のシンバントス株式会社と、ワイデックス補聴器のワイデックス株式会社が合併するという話も出ていますので、今後は勢力図も変わってくるのではないでしょうか。

補聴器世界6大メーカー

  • ・フォナック
  • ・オーティコン
  • ・シグニア
  • ・リサウンド
  • ・スターキー
  • ・ワイデックス
2018.08.13

自動ボリュームアップ機能Ⅱ

③スターキー(経験管理)

最初の利得を設定し、1ヶ月後(一日8時間使用)の目標利得を2つの選択肢から選んで設定しますが、1つは利得上昇幅が大きいので、使用出来るのは実質1つのみ。

利得を細かく設定出来ませんが、ほぼ問題ない利得上昇幅になっています。
経験管理
④フォナック(自動順応マネージャー)

最初の利得を設定し、30日後(一日12時間使用)の利得の選択肢はいくつかありますが、最低の利得上昇幅を選択しても4~5dB上がるので、1ヶ月で設定するのは難しいと思われます。
期間を60~70日に設定しておき、1ヶ月後に設定し直すかOFFにするような方法が必要。
自動順応マネージャ
⑤オーティコン(自動アダプテーションマネージャー)

最初の利得を設定し、1ヶ月後(一日10時間使用)の利得の選択肢はいくつかあります。
目標利得のカスタマイズは出来ませんが、最低の利得上昇幅を選択すれば2dB程度の幅になっていますので、これを選択すれば問題ないと思われます。
オーディコン
⑥リサウンド(アクセプタンスマネージャー)
リサウンド
リサウンド
最初の利得を設定した後、4週間後(一日8時間使用)の目標利得をカスタマイズ出来ますので、どのようにでも設定可能です。
期間は4週間後だけではなく多くの選択肢があります。

結果的に、シグニアとリサウンドの2メーカーは、自由に設定することが可能なので使いやすい。
ワイデックス・スターキー・オーティコンの3メーカーは、最適な設定を選択すれば問題なく使用出来そうです。フォナックは設定するのに少し注意が必要ということになります。
2018.08.12

自動ボリュームアップ機能Ⅰ

初めて補聴器を装用される方に対しての補聴器の設定で、普通の会話がよく聞こえるように利得(ボリューム)を上げてしまうとうるさ過ぎて補聴器を使用できないことがしばしばあります。

初装の方ですので、補聴器が上手く使用出来ているかの確認などもあり、最初の2~3ヶ月は1~2週間に1度は来店していただき、問題なく使用出来ているか、実際に使ってみての疑問点はないかなどお話しを伺うと共に、聞こえ方の微調整を行います。

音質的な調整も行いますが、最初は小さめに設定しておいた利得を、徐々に上げていくという調整も行います。

その、徐々に利得を上げていくという調整のみであれば、どのメーカーの補聴器でも自動に行える機能を備えています。
ただ使い勝手が良いのもあればそうでないのも…。

機能としては数ヶ月の間に徐々に数dB利得が上がるようにも出来ますが、初めて補聴器を使う方用ですから、数ヶ月も来店していただかないというのは通常はないと思いますので、4週間(1ヶ月)の期間で利得を2dB程度上げることを想定してみます。


①シグニア(自動ボリュームアップ)
最初の利得を設定し、4週間後(一日8時間使用)の目標利得で周波数ごとに何dB上げるかを設定するか、4週間後の目標利得を設定し、現在の聞こえはそこから何dB下げた状態に設定するかカスタマイズ出来ますが、後者はやや設定が難しく前者であれば使いやすいと思います。
シグニア
②ワイデックス(順応)

最初の利得を設定し、4週間後(一日12時間使用)の利得を3つの中から選択出来ますが、選択肢の内の2つは上がる利得が大きすぎるため、実際に使用出来るのは1つのみになってしまいます。

利得のカスタマイズが出来ないのは残念ですが、最良の1つの選択肢の利得設定は、ほとんど問題のない利得上昇だと思います。
ワイデックス
2018.08.01

スマートホンアプリ⑥ スターキー

スターキー
スターキーのアプリは「TruLink」で、これを使える補聴器は『Halo iQ』です。
スクリーンショット
初期画面でボリューム変更が出来、同じ画面で両耳同時、左右個別の両方のボリューム変更が可能です。
また、電池残量の確認も出来ます。
スクリーンショット
プログラムの変更を行います。
スクリーンショット
パーソナル画面のサウンドスペースで音質を変更することが出来ます。
パーソナル画面のノイズマネージャーで雑音抑制を項目ごとに設定することが出来ます。

・指向性の設定
・風切り音抑制のレベル設定
・定常雑音の抑制レベル設定
・スピーチノイズの抑制レベル設定

指向性は「無指向性」「指向性」「ダイナミック」「アダプティブ」のノイズマネージャー 人混みノイズマネージャー ノイズ4つの中から選択します。

雑音抑制レベルは1~4の4段階、またはOFFの5つの中から設定します。
スクリーンショット
スクリーンショット
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スクリーンショット
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スマホをリモートマイクとして使用することが出来ます。
補聴器を探す機能は、電源の入った補聴器が電波の届く範囲にあれば、スマホを持って動いた場合に、補聴器に補聴器に近づいているか遠ざかっているかをバーで示します。

補聴器をどこかに置いてきた、あるいは落とした場合、補聴器とスマホが最後に接続されていた場所が地図上に示されます。
スクリーンショット
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