2019.01.09

JAPAN TRAK2018その②

満足度
ジャパントラックでは、補聴器使用者に対して補聴器の満足度についての調査も行っています。

補聴器の満足度を7段階に分けて
①大変満足、②満足、③やや満足
④ふつう
⑤やや不満、⑥不満、⑦大変不満
のどこに自分が当てはまるか。

満足・不満結果は、
①~③の満足が38%ある反面
⑤~⑦の不満も34%です。
この数字も2012年、2015年と比較して進歩はしていません。
ヨーロッパでは満足度が低い国でも70%は超えていて、80%を超えている国がいくつもあります。

この満足度が低いことと、難聴を自覚しているのに補聴器を使わない方が85%以上になっていることは、大きく関連しているのではないでしょうか
不満の手話
これはあくまで個人的な意見ですが、満足度が低い理由は、大きく2つあると思います。

一つは補聴器を販売したり調整を行う人、つまりフィッターに未熟な人が多いために、しっかりした調整が行えていないこと。
補聴器が販売されている多くの国では、フィッターになるには資格が必要です。
日本では、その資格制度がありません。
「認定補聴器技能者」という資格はありますが、まだ公的な資格ではありませんし、その資格など持っていなくとも補聴器を販売することは可能です。
慣れるの手話
店舗に一人、医療機器の販売管理者がいて、経験(補聴器の知識がそれほどなくても医療機器販売管理者になることは可能です。)
店が都道府県(実際は管轄の保健所)に管理医療機器販売業届を行っていれば、その店の誰でもが補聴器を販売することができます。

店によっては、「私が補聴器を販売するの?」と自分でも技術不足や知識不足を認識しているにも関わらず、店の都合で仕方なく補聴器販売を担当させられている人を何度か見たことがあります。
知識を貯めこんだだけで上手くいく世界ではありませんが、最低限の知識は持っていてほしいものです。
ですが、それを持っていない人が多いのも事実です。

最初から経験豊富なフィッターはいませんので、勉強はしていても経験不足が理由で上手くフィッティングできないのは、専門ある面では仕方ないのかもしれません。(ただし、プロのフィッターとしては いつまでもそんな言い訳はできませんし、装用者にとっては仕方ないでは済まされないことだとは思います。)
専門の手話
ただ、経験が足りないだけのフィッターであれば、経験を積むごとに、100%とはいきませんが、ある程度満足していただけるような対応は、徐々にできるようになるはずです。

残念なのは、向上心がなくフィッターとは呼べないような方も補聴器を販売していることです。
そのような販売員は、お客様が満足できるような対応は難しいと思います。
それがお客様の満足度が低い一つ目に考えられる理由です。

長くなりましたので、もう一つの理由についてはまた次回にしたいと思います。
2019.01.07

JAPAN Trak 2018その①

日本の手話
日本ジャパントラックというのは、日本補聴器工業会が主体となって行う補聴器や聞こえについての様々なアンケート調査です。

欧米では既に行われていた調査を日本でも2012年と2015年に行ってきました。
そして3回目の2018年の結果が昨年末に公開されました。
欧州の手話
多くの質問がありますので、ここでは主なものだけを紹介します。

まず、調査は年齢や性別のバランス、地域の分散などが日本の全人口を反映するように割り当てられた中から、13,710人の回答を得られています。
ドイツの手話
そこから推定されている数字ですが。
日本では、自分で難聴を自覚している人(おそらく難聴だろうと思っている人を含む)が11.3%で、この数字は1~2回目の調査結果とほとんど変わっていません。
また、諸外国と比較しても大きな差はありません。
フランスの手話
ただ、難聴と思っている人にのみに質問した結果が…。

あなたは補聴器を持っていますか?という質問に対して、「ハイ」と答えた人は14.4%。この数字も1~2回目の時と変わっていません。
つまり、補聴器の普及は進んでいないということ。
イギリスの手話
ヨーロッパでは40%を超えている国が多く、しかも調査する度に増加しています。
比較的低い数字のアメリカでも30%を超えており、日本ではその半分にも達していません。

日本の補聴器業界の努力不足や補聴器に対する偏見などが関係していると思います。
イタリアの手話
ヨーロッパの数字より低いことは予想していましたが、2015年の結果と比較して変化がないということに少しショックを感じています。

他に満足度などの結果が出ていますので、そちらについてはまた次回に。
2018.10.19

障害者総合支援法での補装具費支給②

法律の手話
8月29日のこのコーナーで、総合支援法での補聴器について書きました。

法律内容は、平均聴力が右80数dB、左90数dB。障害者手帳は当然4級(高度難聴)。
これまで福祉での補聴器購入の経験は無し。
両耳に自費購入の補聴器装用中だが左補聴器故障で、新規に福祉での補聴器購入希望。
医師の意見書では左耳に重度難聴用補聴器が必要。

医師からの意見書通り、重度難聴用補聴器の申請をしたのですが、東京都の審査で手帳4級なのに重度用ということでひっかかってしまいました。
東京の手話
通常は書類審査だけで認められることが多いのですが、今回はお客様が審査に出向くことになりました。

結局正式に重度用補聴器で認められたのですが、見積書を提出してから認められるまで、2ヶ月以上かかってしまいました。

今回の件で私は何も言うことはありませんが、普通、今回のような聴力のケースでは、

聴力の良い方の耳に福祉での補聴器、聴力の低い方の耳には補聴器を装用しないか、自費で補聴器を買いなさいということになります。
聴力の低い耳が補聴器の効果がないほど悪い場合は別ですが、両耳装用の効果が認められる方に対しても、福祉での助成が片耳分しか認められないというのは、考え方が古い(おかしい)ですよねえ…。
身体障碍者の手話
2018.09.27

補聴器フォーラム2018②

サウンドデモ
先日このコーナーで、補聴器フォーラム2018について私は残念ながら仕事があって参加できそうにないことを書きました。

ところが23日の仕事は思ったより早く終わったため、終わり間際の1時間ほどフォーラムを見学することができました。

私がいた時間はそれほど込み合ってはなく、ガラガラとういう状況でもなかったので、見て回るのにはちょうど良い感じでした。
会場写真
2日間で2500人くらいの来場者を予定していたようですが、ちょうどそれくらいの入場者があったのではないかと思います。

内容としては舞台のアトラクションを除けば前回前々回と大きな違いはないので、私にとっては目新しいものは特にないのですが、補聴器ユーザーやこれから使用を考えている方、またはそのご家族の方々にとっては色々と知ることが出来る場になったことでしょう。
会場写真
両日とも市民公開講座が開かれ、ドクターによる講演がありました。
テーマは「難聴・耳鳴りと補聴器」でしたので、現在耳鳴りでお困りの方や、難聴で補聴器を…とお悩みの方にとっては参考になるお話しが聞けたことだと思います。

また。難聴児教育セミナーでは、大学教授による「聴覚障害児の補聴とことば(日本語)の指導」をテーマにした講演があり、難聴児を持つ保護者の方々にとっては貴重なお話しが聞けたのではないでしょうか。
会場写真
メーカーの展示コーナーでは少し気になったことが…。

一般の方にも分かり易い言葉で説明しているメーカーは、参加者にとって意味あるものだと思いますが、一般の方に対して難しい話をしているのを見かけました。補聴器フォーラムスターキー???ですね。
会場写真
メーカーセミナーには販売店の方などしか参加できませんので、しっかり聞いても分かったようで分からないような難しい話が多かったのではないかと思っています。(私はどのメーカーの話も聞いていませんので、あくまでもイメージです。)

補聴器フォーラムシグニアほとんどのメーカーで新製品が出たばかりかこれから出るという時期で、ものすごく良い性能や機能の話が盛沢山だったのではないかと思います。今の補聴器でもすごい性能なので、これ以上良くなっても人の耳で違いを感じられるのかどうか、個人的には疑問に思っています。
会場写真
それから難聴の方にとっての便利機器が、様々なブースで展示されていました。
これは私たちも勉強していく必要がありますね。
会場写真
会場写真
また、補聴器販売店協会担当者による補聴器相談コーナーもありましたので、いきなり販売店に行って高額な補聴器を勧められたら…とか、補聴器を着ければ昔と同じように聞こえるのだろうかというような、不安や疑問をお持ちの方にとっては解決の場になったのではないでしょうか。
会場写真
アトラクションで、私はフラダンスの時間帯にしか会場にいませんでしたが、ハワイアンバンドやダンスエクササイズ、トークショーなども、きっと楽しい催しだったのと思います。
当店のお客様の中でも「昨日行ってきたよ。」と、フォーラムに参加しての感想やメーカースタッフに教わったことなどを、いろいろと話してくださった方もいらっしゃいました。
その方にとってはとても有意義な場だったようです。

今後も2~3年ごとの開催が続くことを期待しています。ただ、すでに補聴器を使用している方であれば2~3ヶ月くらい前から販売店で来店者にPRすることができますが、聞こえにくい自覚はあるが補聴器は持っていないという方にもっと多く参加していただくために、PR方法をさらに考えていく必要はあると感じました。
2018.09.07

JAPAN補聴器フォーラム2018

補聴器フォーラム
9月22日・23日の二日間、JAPAN補聴器フォーラム2018が開かれます。
会場は秋葉原UDX イベントスペース アキバ・スクエア、開催時間は22日が10:00~17:00、23日が10:00~16:00。

フォーラムセミナー内容

  • 市民公開講座「難聴・耳鳴りと補聴器」
  • 親と教師のための難聴児教育セミナー
  • 補聴器メーカーによる事業者向けセミナー

フォーラムイベント内容

  • 認定補聴器技能者による補聴器相談
  • 補聴器メーカーによる補聴器展示、紹介
  • 周辺機器、便利機器の展示、紹介
  • 毒蝮三太夫トークショー
  • 補助犬デモンストレーション
  • その他ハワイアンバンドとフラダンスのミニステージ等
会場写真
会場写真
会場写真
セミナーは事前申し込みが必要となっています。
今年で3回目のフォーラムになり、過去には2013年と2015年に開かれ、どちらも大盛況でした。
ただ、2015年は会場のつくりや狭さでやや??ということもありました。今回は初回と同じ会場となり、さらに盛況となることが予想されます。

私は仕事があって参加できないのが残念です。
参加して何か良い情報が得られたという方がいらっしゃいましたら、ぜひ教えてください。

フォーラムの詳細についてはこちらをご確認ください。

セミナーの申し込みはこちらより。
2018.08.29

障害者総合支援法での補装具費支給で…

補聴器
先日、“目から鱗”という出来事がありました。

聴覚障害で障害者手帳を持っている方は、申請すれば補聴器購入時に一定額の支給を受けることが出来ます。
一般的には2級・3級の方は重度難聴用耳かけ型補聴器(67,300円)、4級・6級の方は高度難聴用耳かけ型補聴器(43,900円)の90%の金額の支給を受けることが出来る。
店舗
申請は前回申請から5年以上経過しないと再申請出来ないが、大きな故障などで修理に高額な費用がかかる場合などでは、例外的に5年以内でも申請が認められる場合がある。

また高度難聴と重度難聴での上記の金額の他、イヤモールドやダンパー入りフックが必要な場合や、耳かけ型が装用出来ない方で耳あな型補聴器が認められた場合など、もう少し高額な支給を受けられることもある。
通常5年に1回1台(片耳)認められるのが、医師の診断で両耳に補聴器が必要とされた場合には、1回で2台(両耳)が認められることもある。
この前まで補聴器メーカーにいた私でも、上記のようなことは情報として知ってはいました。

お客様と接する現場にいた方にとっては何を今更…、ということなのでしょうが…。
メーカーに勤務していた頃に、たまには販売店に呼ばれて現場でお客様と接して調整や販売を行うことはあったのですが、このような手続きをすることはありませんでしたので、私にとっては知らないことでした。
聞こえない
難聴先日来店されたお客様は、手帳4級(高度難聴)。
今まで、福祉対応での補聴器購入の経験はないとのこと。両耳に自費で購入された補聴器をお持ちでしたが、左の補聴器が故障したということで来店。
買い替えを希望されたので総合支援法について説明。早速、役所に申請し必要書類を持って再度来店されました。専門医の意見書が必要ということで、補聴器相談医を紹介し、その病院へ行っていただきました。
この方の平均聴力は右:80数dB、左:90数dB。

両耳とも90dBを超えると3級(重度難聴)となりますが、この方の場合は両耳とも80dBを超えるという4級(高度難聴)。
医師の意見書は「左耳に重度難聴用耳かけ型補聴器」ということでした。手帳が4級なので高度難聴用と思っていましたが…。

まだ最終的に認められたわけではありませんが、役所に問い合わせたところ、決定するのは東京都だからまだ分からないとしながらも、医師が重度用と指定していて聴力的にその補聴器が必要であれば認められることが多いですよという話でした。
補聴器くん
都道府県によって、あるいは担当者によって考え方が違うでしょうから、必ず認められるということではないのかもしれませんが。

確かに、手帳が4級だからといって高度難聴用補聴器では、この方の左耳にはパワー不足です。考えれば分かりそうなことですが、これまで考えたことがありませんでした。

まだまだ勉強しなければならないことが色々とありそうです。
2018.06.06

補聴器の日

補聴器の日
6月6日は補聴器の日です。

補聴器業界ではこれを盛り上げようとしているのですが、一般の方にはまだまだ浸透していないようです。
日本補聴器販売店協会と日本補聴器工業会が1999年に制定したので、もう20年の歴史があります。
補聴器くん
なぜ6月6日かというと二つの意味があります。
一つはロゴ(ロロちゃん)を見て分かると思いますが、6と6を向かい合わせると耳に着けた補聴器に見えるというもの。
もう一つは、聞こえにくくなった耳(3月3日)にもう一つの耳を付けると(3月3日×2)6月6日になるというものです。
補聴器くん
むりやりこじつけた感はありますが、まあ、「〇〇の日」としてあるのは似たようなものでしょうか。

でも、あまり興味のない方に知っていただくためには、何も無いよりは有ったほうが良いのかなと思います。
耳が遠い人
国が出した新オレンジプランには、難聴は認知症の危険因子であるとされています。

つまり、難聴をそのまま放置しておくと認知症になる可能性が高まるということです。

このことは、以前から学会などでは発表されていたことですが、国もそれを認めて動き出したということになります。(実際はまだ何も動いておらず、変わったことはありませんが)

軽い難聴であれば、ご本人は少し困ったり不便だったりするくらいで、これ位なんでもないよと思っている方が多いと思います。

または、困ってはいるけれど補聴器を着けるほどでは…と。
家族写真
実は、本当に困っているのは本人ではなく身近にいる方々という場合も多いのですが、ご本人に向かって「補聴器着けたほうが良いんじゃない?」とは、なかなか言い出せなかったりします。

でも、これを認知症予防と考えてみてください。
遠慮している場合ではなく、提案してあげられるのは家族など身近にいる方しか出来ないことです。

そういうきっかけとなる補聴器の日であれば、むりやり制定したのだとしても、意味あるものだと思います。